全省庁統一資格の等級には「A」「B」「C」「D」があり、それぞれの等級により参加できる入札が異なり、「A」ランクに近い方が入札予定価格の範囲が高くなります。例えば『物品の製造』ですと「A」ランクでは3000万円以上が入札予定価格になりますが、「D」ランクですと400万円未満となります。
それだったらみんな「A」ランクで申請した方が良いのでは?と考えてしまいますが、自分で等級の選択は出来ず、過去の実績などが考慮されます。
一般的に年間平均(生産・販売)高や自己資本額等の合計が多い方が「A」ランクに近づきます。反対に年間平均(生産・販売)高が少ない方が「D」に近づきます。
こちらは審査の項目ごとに点数が付与されてその合計点で等級が決まります。それでは審査の項目を見ていきましょう。
等級の決め方(付与数値)
物品の製造
下の表で①~⑤の各項目ごとの点数を計算して、合計点数により等級分けされます。
100点が最高点です。お手元に財務諸表と登記事項証明書をご用意ください。
①年間平均(生産・販売)高(前2ヶ年の平均実績高)
直近2年分の財務諸表から金額を算出してください。
②自己資本額の合計
貸借対照表の【純資産の部合計】の金額になります。
③流動比率
経営状況になります。『流動比率=流動資産÷流動負債×100』で算出してください。
④営業年数
個人事業主は事業を創業した年月日を創業年月日として、申請日現在までの満年数になります。
登記事項証明書の「法人が成立した年月日」から申請日現在までの満年数になります。
⑤設備の額
貸借対照表に記載の金額(減価償却後の額)になります。
物品の販売・役務の提供・物品の買受
下の表で①~④の各項目ごとの点数を計算して、合計点数により等級分けされます。100点が最高点です。
①~④の各項目の算出方法は物品の製造と同じです。
資格の種類別等級区分及び予定価格の範囲
上記の『等級の決め方(付与数値)』で計算した付与点数を下記の表に当てはめてみましょう。
それでは物品の製造を見てみましょう。
90点以上ですと等級がAになり予定価格が3,000万円以上になります。
55点未満ですと等級がDになり予定価格が400万円未満になります。
Aの方が予定価格が高いためAで申請をしたくなりますが、先ほど計算したように自ら付与点数は決められず、これまでの会社の実績等が考慮されます。
そのため時間はかかりますが年間平均高などを上げていくことが、等級を上げる近道かもしれません。